cero『Outdoors』
昨日5/21、日比谷野外音楽堂にて開催されたcero presents「Outodoors」
会場にて発売されたポスターおよびポストカードに作品が使用されています。
ライブ中のMCにて髙城くんにご紹介いただいたので、少し写真のことを解説してみようと思います。 この写真は2015年に発表した『予定運命のかけら(piece of fate map)』という群作中の一枚で、
撮影にはポラロイドカメラを使っており、少し特殊な現像方法を用いていることが特徴です。
場所はメキシコの南部オアハカ。
昨年の秋、「死者の祭り」を撮影するために訪れました。 街を散策中、この角が気になって一枚撮影をした直後、そこで犬がオシッコをはじめたのです。
思わず反射的にシャッターを切ったのですが、このポラロイドカメラは連続撮影ができなかったということに気づき、ああ、"過ぎ去るイメージ"だ…と、あきらめて宿に戻ったのでした。
翌日、ミトラ遺跡へ向かう道中Santa Maria del Tuleという町の教会に生えている巨木「トゥーレの樹(Arbol del Tule)」を訪れました。ギネスブックにも認定されている世界で最も太い木。圧倒されて、幹を見上げながらポラロイドを切って、驚きました。昨日の犬の写真がフィルム上に残っていたのです。
こうして意図しない多重露光が起こり、オアハカの街角とトゥーレの樹が混ざり合ってできたものがこの不思議な印象の写真なのです。
(この度、ポスターをご購入下さった方は、写真の中心あたりをよく見ていただくと犬がオシッコをしている姿がなんとか認められると思います。)
この機会に他の作品もご高覧いただけたら幸いですので、リンクを貼っておきます。
http://www.suzukiryuichiro.com/#!piece-of-fate-map/cjg9
cero共々、今後ともよろしくお願いいたします。
(セロのみんな、ありがとね!)